ご相談内容
工場内の室温を下げ、従業員に良い環境を作りたい。
SUGGEST
大友からのご提案
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状況
「冷房稼働させているんですが、工場内が暑いんですよ」、工場内の暑さに悩まされていた今回のご担当者様。約1000㎡の工場は1日中太陽光に照らされ、加えて工場内にある多くの機械からの放熱で工場は冷房を稼働させても暑い。今まで同敷地内の他工場棟では、業務用の大型エアコン・スポットクーラーの導入、排気扇・ファンによる空気循環、屋根に遮熱塗装等の暑熱対策を取ってきたが、従業員にとって良い労働環境を作り切れなかった。
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提案内容
空調でも冷え切らない室温をどうするか。既にさまざまな対策を試しており、同じ提案では結果は見えていた。「なぜこの工場は暑くなるのか...」、一から考え直すことから始めた。先方は既に一部の屋根に遮熱塗装を施していたが、我々は再度屋根に注目することにした。
実は建物に入ってくる熱の75%は太陽光の輻射熱により屋根や壁が温められ発生するため、熱のもとになる太陽光を反射すれば温度上昇は防げる。スポットではなく、室内全体の暑さを和らげるには太陽光を防ぐことが最善の対策であると考え、我々は遮熱シートの屋根施工を提案した。
●工場内天井温度(遮熱塗装、遮熱シートも施していない屋根の天井)
さて、なぜ既に遮熱塗装を施しているのにも関わらず遮熱シートの屋施工を提案したのか?
遮熱塗装の太陽光反射率は92%未満に対し、遮熱シートは97%である。そのため遮熱塗装よりも熱の流入が防げることは明らかであった。 遮熱塗料は既に他棟で施工されているため、「効果がでないのでは」と遮熱シート施工には少々躊躇されていた。そのため、我々は上述した遮熱塗装とシートの太陽光反射率に違いがあることをお伝えし、比較試験データの提示も行った。結果、遮熱シートの効果に期待していただき、まずは試験的に一部の屋根にて施工することが決まった。
※遮熱シートと遮熱塗装の効果の違いを知りたい方は、お気軽にお問合せ下さい。
また屋根上と屋内の施工があり、どちらにするかで迷われていたが、
・屋内施工は工場内の設備、資材を移動させる必要があり、生産業務にも支障がでる
・屋根上施工で、雨漏り防止になる
・屋根上施工で、遮熱シート分の屋根補強効果があり、屋根の劣化防止になる上記の観点から、屋根上にシートを施工することになった。
RESULT
太陽光を反射する遮熱シート施工は予想通りの結果となった。
施工前(7月)から外気温等のデータを先方に取ってもらい、施工前と施工後で室温にどれくらい差が出るのか比較をすることをお勧めした。
結果は以下の通りとなった。
7月のある日(施工前)
・外気温 31度
・室内温度 35度
8月のある日(施工後)
・外気温 31度
・室内温度 29.5度
5℃以上の室温を下げることに成功した。
ランニングコストはかからないため、毎月の費用をかけずに室温を下げ続けることに成功した。
●工場内天井温度(遮熱シート施工前)
●工場内天井温度(遮熱シート施工後)
未施工時の天井温度と比較し、約12℃が低下している。
また遮熱塗装した屋内の天井と遮熱シートを施工した天井を比較すると...
●工場内天井温度(遮熱塗装済)
約8℃の差がでており、遮熱塗装に比べ、効果がでていることが確認できた。
●屋根上(手前の青色屋根は遮熱シート未施工、奥の銀色屋根は遮熱シート施工)
遮熱シートを貼り付けることにより、屋根上温度に30℃以上の違いが生まれた。(未施工の屋根との比較)。室温約7ヶ月弱稼働させていた冷房も5ヶ月程度に短縮、冷房の設定温度も20℃→26℃に変えることができ、消費電力の削減・カーボンニュートラルの実績として報告できる見込みとなった。
また、屋根上で作業することがある保全グループの社員様からも暑さが以前よりも和らぎ、作業がしやすくなったと評価をいただくことができた。